旅に出る(成田〜シドニー)
2016年12月30日。
早朝プノンペンから帰国し、同日19時過ぎにはシドニーへ出発。
最近流行りのエクストリーム出入国である。
結局、日本での滞在時間は12時間弱。
寝不足から気分、機嫌ともに非常に悪い状態は継続中だが、19時にシドニー行きJL771便の優先搭乗が開始される。
機材はB777-300ER。主に北米線や欧州幹線に使用されるJALのフラッグシップであるが、機内の半分以上がファースト、ビジネス、プレミアムエコノミーで占められており、エコノミー利用者には少々肩身の狭い飛行機でもある。
エコノミークラスの座席は機体後方のみであり、まるで押し寿司のようにギュッと固まっている。「貧乏人は後ろに固まっていなさい」と言われているような気がして、少し悲しくなる。
しかし、幸い中央列通路側を確保出来たこと、隣が空席だったことで何とか気力を保てた。
また、JALご自慢「新感覚エコノミー(SKY WIDER)」は前席の圧迫感もなく、足元の空間も十分だった。
座席に関しては圧倒的に青よりも赤派である。
機内食を食べたのち、映画を観ながらウトウトし始めた頃にはグアムを通過。タイミング良く機内も消灯されたので、さあ寝ようかと思ったのもつかの間。突然飛行機が猛烈に揺れだした。
機長の「予想外の乱気流に遭遇したから席に戻ってね」のアナウンスと共に、ベルト着用サインが点灯。
この時期のオセアニア線は赤道付近で揺れて、揺れて、揺れまくる。
出発前から機内アナウンスで「グアム超えたあたりから揺れる」とは言っていたが、大型機でここまで揺れるとちょっと恐い。
結局、ニューギニア島を超えるあたりまで機体は揺れたり落ち着いたりを繰り返し、ロクに眠れないまま消灯時間が終了。機内ではコーヒーの匂いと共に朝食の準備が始まる。
過酷極まりない寝不足状態だが、朝日は容赦なく燦々と機内に降り注ぎ、前席ではしょーもないアベック仲睦まじいカップルが騒いでいる。
そんな中、死んだような顔で朝食を貪る東南アジア帰国直後でクソほど薄汚い25歳。
ホンマしばいたろか太陽のボケが…何を照っとんねん。雲も遮れや!どこで遊んどんねん。どついたろか。
その後は順調に飛行し、現地時間の午前7時前にはシドニー(キングスフォート・スミス)国際空港へ着陸。定刻よりも30分ほど早い到着だった。
入国審査は機械で行う。
以前はスタンプを押されない寂しさを感じたものだが、今日はとにかく早く通過できれば何でも良い。
いつもは厳しいオーストラリア税関も、この日ばかりはこちらの気持ちが通じたのか、大晦日だからなのかは分からないがほぼ顔パスで通過した。
そして、迎えに来てくれた父親と合流。
車に乗り込み、30分ほどで家に到着。家に着いたら充電がプツンと切れてしまい、死んだように眠った。
現地時間の夜、ようやく起床した頃には既にガキ使が始まっていた。
殆ど一日中寝たきりの大晦日を過ごし、日本より2時間早く年越しを迎えた。